生きているうちに富を有効活用すべし
富の有効活用方法にかんしては、人による違いも場所による違いもあるので、なにが最高の方法であるか、一致した見解があるわけではない。もっとも大切なことは、その本人にとって最高の方法であり、活用には心を込めて取り組まなくてはならない、ということである。自分が選択し、従事してきた事業に対するのとおなじように、熱心に献身しなくてはならないのだ。 そして重要なことは、自分が生きているあいだに実行することだ。本来は自分がやるべき義務であるのに、残された人の重荷とするのは、まったく無価値なことである。あの世には、富はもっていけないのである。
惜しみなく与える
わたしが説く「富の福音」には、イエス・キリストのことばが響いている。それは、金持ちに向けてのことばだ。母なる大地に横たわり、永遠の眠りにつく前に、自分がもてるものはすべて売り、最高の形で貧しき者たちに与えなさい。同胞の人びとのために、自分の財産をただしく用いなさい、と。 そうすれば、死に際しては、もはや意味なく大金を抱え込んだ卑しい人間ではない。最期のときには、お金はないかもしれない。だが、同胞たちが抱く愛情や感謝、尊敬の念においては、大金持ちの20倍も豊かになっている。内なる静かな小さな声が、こうささやくことだろう。この大いなる世界の小さな一部分として、十分に生きたのだ、と。